「だだっ子」




だって日の光が気持ちいいんだ。
だって草の匂いが懐かしいんだ。
故郷へ帰るようで今は亡き故郷へ帰れるようで。

「た・い・さ!」
べちん!と大層彼女には小気味よかろう音で、ロイは無理やりに起された。
気分よくサボり、気分よく昼寝を満喫していたロイはあまりの目覚めの悪さに頭を抱え込み、寝転がったままうだうだと背を丸めさせで耳を塞ぐ格好は朝起きたくないあと一分とごねるだだっこそのものである。

「ホークアイ中尉、あと5分・・」
「台詞まで常套句ですね」
書類束、第二発目を見舞うかとリザがすっと腕を天高く上げたところでリザの殺気を感じたロイは放たれた二発目をごろごろと脇へと身をよじり回避してみせた。
空を孤く書類束にしかし煌いたリザの瞳はすかさず第三発目を横滑りさせ、ロイの顔へと命中させた。
「った!」
「起きてください!全く、こんなに分厚い書類が残ってるんですよ!」
べしべしと数度ロイを軽く叩き、
リザはロイの首根っこを引っ掴むとそのまま連行していった。





fin.


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これ何気なくお題の続編です。さがしてみるのも楽しいかもです。